カナダ留学2日目。
この日は、いよいよ語学学校の初日でした。
「初めての海外の語学学校。どんな人がいるんだろう」
「ちゃんと英語を話せるかな」
……と、緊張していた。
と言いたいところですが、実際は緊張する暇もありませんでした。
なぜなら、前日の留学初日が、ホームステイ先の親戚の集まりだったから。
初日からいきなり大人数の中に入り、慣れない英語を聞き続け、帰るころにはもうヘトヘト。
そして翌朝。
「今日から学校か……」
と考える間もなく、語学学校へ向かいました。
ハウスメイトと一緒に学校へ
学校へは、同じホームステイ先に住んでいたハウスメイトと一緒に向かいました。
彼はメキシコ人の留学生。
そして、とにかく英語ができる。
私はというと……
全然できない。
話しかけられても、
「ごめん、なんて言ったの?」
と何度も聞き返す。
それなのに彼は、そんなことはお構いなしにガンガン英語で話しかけてきます。
私はほとんど意味が分からないまま、
「Yeah……」
「Uh-huh……」
と、とりあえず相槌。
今思うと、
「こういう人が英語上達するのかな」
と思いました。
分からなくても、とにかく英語を聞いて、英語で返そうとする。
一方の私は、間違えることが怖くて、分からないと黙ってしまう。
この違いは、今振り返ると結構大きかったのかもしれません。
まさかのバス遅延!語学学校初日から遅刻
さらに、学校へ向かう途中で予想外の出来事が。
バスが渋滞に巻き込まれました。
予定よりどんどん時間が過ぎていきます。
そして、なんと約1時間の遅延。
ハウスメイトは、
「まあ、大丈夫でしょ」
という感じ。
でも、日本人の私は違いました。
「初日に遅刻なんてありえない!!」
もう、バスの中で焦り散らかしていました。
「どうしよう」
「初日なのに……」
「オリエンテーションもあるのに……」
慌てて語学学校のレセプションにメールを送りました。
結局、学校に着いたころには、初日のオリエンテーションは終わっていました。
でも、怒られることはありませんでした。
むしろ、
「まあ、そんなこともあるよね」
くらいの感じ。
日本だったら「初日に遅刻してしまった……」とかなり落ち込んでいたと思います。
でも、海外では思っていたよりも、物事がゆるやかに進んでいく。
そんなことも、少しずつ感じ始めていました。
オリエンテーションなしで、いきなり授業へ
オリエンテーションに参加できなかったので、学校の詳しい説明も受けないまま、そのまま授業へ。
クラスには、以前からいた日本人が1人。
そして、私と同じ日に入学した日本人がもう1人。
ほかには、別の国から来た生徒が3人ほどいました。
そして授業が始まったのですが……
何を言っているのか、さっぱり分からない。
先生が話している英語も、クラスメイトが話している英語も、ほとんど理解できません。
「え、これ……私、本当に大丈夫?」
そんな状態でした。
それでも、クラスに日本人がいたことにはかなり助けられました。
分からないことがあっても、ちょっと聞ける。
それだけで、ものすごく安心しました。
「日本人が少ない学校を選んだのに、結局日本人がいると安心するんだな」
と、自分でも思いました。
放課後アクティビティで、心が折れる
そして、授業が終わった後。
クラスの垣根を越えて、学校全体のアクティビティがありました。
ここでは、授業よりもさらに「英語を話す」ことが求められました。
そして、そこで私は完全に打ちのめされます。
何かを聞かれても、言いたいことが英語にならない。
例えば、
「海外ではお風呂につかれないのがちょっと嫌」
みたいな、私にとっては普通のことすら言えない。
「そんなことも言えないの?」
と思われている気がして、恥ずかしい。
本当に、本当に恥ずかしかった。
今思えば、誰もそこまで気にしていなかったのかもしれません。
でも、当時の私は、
「英語が話せない自分をみんなに見られている」
ような気がしていました。
その日の私は、完全にメンタルをやられました。
そして、その経験がちょっとしたトラウマになり……
しばらくの間、放課後アクティビティには参加できなくなりました。
「せっかく留学に来たんだから、積極的に参加しなきゃ」
と思う気持ちはある。
でも、怖い。
英語を話すのが怖い。
間違えるのが怖い。
人にどう思われるかが怖い。
そんな気持ちになっていました。
それでも、救われたのは「人」だった
そんな初日でしたが、学校が終わったあと、同じ日に入学した日本人の子と少し散歩しました。
学校では英語でいっぱいいっぱいだったので、日本語で話せることが本当に安心でした。
そして、ホームステイ先に帰ると、ホストファミリーが温かく迎えてくれました。
私のつたない英語にも、一生懸命耳を傾けてくれる。
ご飯もおいしい。
そして、とても親切。
英語が話せなくて落ち込んでいた私にとって、ホームステイ先が安心できる場所だったことは、本当に大きかったです。
留学生活のスタートで、素敵なホストファミリーに出会えたこと。
これは私にとって、とても幸運なことでした。
今の私なら、あの日の自分に何て言う?
語学学校初日。
今振り返っても、当時の私にとっては、すごく大変な経験だったと思います。
もともと私は、積極的に人と話すタイプではありませんでした。
自分の間違いや失敗が怖い。
人からどう見られているのか気になる。
だから、できるだけ失敗しないように過ごしたい。
そんな性格でした。
だからこそ、英語しか通じない環境に飛び込んだことで、その部分を思い切り突きつけられたのだと思います。
でも、今の私が当時の自分に声をかけられるなら、こう言いたい。
そんなに失敗を怖がらなくていいよ。
失敗したって、失うものなんて意外とあまりない。
だから、
自分が「やってみたい」と思ったことを大切にして。
あきらめないで。
間違ってもいいから、チャレンジして。
そして、せっかくカナダまで来たんだから、もっと楽しんで。
語学学校初日。
英語が全然通じなくて、恥ずかしくて、心が折れた日。
でも、今思えばそれも含めて、私の留学生活の大切なスタートでした。

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